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相続は、いつから開始されるのか

相続とは、一般的には「人の死亡により他者へと財産が移転すること」を指します。

民法第896条では、“相続人は、相続開始の時(被相続人の死亡の時)から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する”と記されています。
では、「相続はいつから開始されるのか」について、詳しく説明していきたいと思います。
 

民法ではどう定められているか

民法第882条では、「相続は死亡によって開始する」と記されています。
では、この場合の死亡とは、どういった状態を指すのでしょうか。

被相続人が老衰や病気、事故などいわゆる自然死亡であれば、
医師の診断をもって速やかに死亡と認定されるでしょう。

ですが、一般的には死と定義してよいのか判断が難しいケースもあります。
例えば、被相続人が行方不明になっている場合や、災害により生死が不明な場合、脳死状態にある場合などです。
そのような場合には、どのように判断されるのか、法律の視点から見ていきましょう。

法律での死亡の種類

法律では、自然死亡のほかに、
失踪宣告、認定死亡、同時死亡の推定などの定義が定められています。
以下、それぞれを詳しく説明していきます。

  • 失踪宣告
  • 失踪宣告とは、不在者の生死が7年間わからない場合や、
    戦争や船舶の沈没、震災などの危機に遭難するなどして、
    その危機が去ってから1年間生死がわからない場合に宣告されます。

    失踪宣告をされた場合には、
    行方不明者は法律上では死亡として扱われ、その時点から相続が開始されます。

  • 認定死亡
  • 認定死亡とは水難や火災そのほかの事変により死亡したことが確実であるが
    遺体が見つからない場合などに、適用されます。
    取り調べにあたった官公署などが死亡の認定を行います。

  • 同時死亡の推定
  • 同時死亡の推定とは、火事や災害などで複数人が死亡し、
    死亡した人の死亡時期の前後が不明な場合に
    法律によって全員、同じ時間に死亡したものと推定することをいいます。

  • 脳死状態の場合
  • 事務手続き上は、死亡とされる場合が多いですが、
    医学的脳死は法律上は死亡とされないため、
    相続は開始されない可能性があります。

 

相続の開始日が関係する事とは

  • 相続放棄について
  • 相続を放棄するといった意思表示は、
    相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することが必要になります。
    相続放棄をした場合には、はじめから相続人にならなかったものとみなされます。
    ですので、財産だけでなく借金も引き継がないことになります。

  • 限定承認
  • 相続人が遺産を相続するときに相続財産を責任の限度として相続することをいいます。
    民法第915条第1項には、下記のように記されています。
    “相続人は,自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に,
    相続について,単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない”
    相続する借金などが、相続する財産よりも多い(債務超過)時には、
    亡くなった人から承継する相続財産の限度内で、
    亡くなった人の借金などの支払いを行うといった、限度付きの相続のことをいいます。

  • 相続税の申告、納付期限
  • 被相続人の遺産に対して相続税がかかる場合には、
    相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に
    相続人全員が相続税の申告・納税をしなければなりません。
    相続税は相続人各々に対して、実際に取得した財産に対しての相続税が算定されます。
    そのため、申告期限(10ヶ月)までに、
    遺産分割協議が相続人内で、整理されていることが必要となります。

  • 遺留分減殺請求
  • 遺留分とは、遺言などがあることで、
    本来の法定相続人の遺産の取得分がなくなったり
    少なくなりすぎたりする場合にそなえて認められるものをいいます。
    一定の法定相続人に認められる最低限の遺産の取得分のことを指します。

    最低限の遺産取得分である遺留分が認められるとはいえ、
    何もしなければ遺留分の支払いを受けられることはありません。

    遺留分の権利者が実際に遺留分の返還を受けるには、
    遺留分の請求をする必要があります。

    この遺留分請求の意思表示のことを、遺留分減殺請求と言います。
    遺留分減殺請求には期限がありますので、注意が必要です。

    具体的には、
    「相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間」
    とされています(民法1042条)。

    そのため、遺留分減殺請求をしたい場合には、
    相続があったことと、遺贈や贈与があったことを知ってから
    1年以内に行う必要があります。

今回は、「相続はいつから開始されるか」に始まり、
死亡の種類について、相続の開始日が関係する事柄についてを詳しく説明しました。

最後までお読み頂き、有難うございました。

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