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仮想通貨の相続について

以前はバブル状態であった仮想通貨は、一度低迷したものの、令和に入り、再度注目が集まっています。現金でも株式でもない仮想通貨において、相続との関係は、いったいどうなっているのでしょうか。

今回は、「仮想通貨の相続」について書いていきたいと思います。

仮想通貨とは何か

仮想通貨とは、お札や小銭とは異なり、実体がない通貨です。「暗号化されたデジタル通貨であること」と「特定の国家が発行しているものではないこと」が特徴です。

つい数年前まではほとんど知られていないものでしたが、2017年に仮想通貨バブルが起こり、”億り人”(仮想通貨で億単位の資産を所持している人)という言葉が流行したことで、一気に社会での認知が進みました。世界初の仮想通貨ビットコインをはじめ、現在ではリップル、モナコイン、イーサリアムなど様々な通貨が発行され、発行枚数、時価総額ともに膨らみ続けています。

仮想通貨に相続税は課されるのか

デジタル通貨で実体がないため、課税対象となるかがこれまで大きな問題とされてきましたが、平成29年12月に、国税庁が「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」を公表したことにより、所得税の課税が明確化されました。

被相続人が仮想通貨を所有していたどうかをどのようにして知るのか

仮想通貨から少し話がずれますが、まず一般的な相続財産の調査の話をしましょう。被相続人が亡くなり、相続人が相続財産を調査するとき、預貯金については、銀行での全店照会や通帳などを調査しますね。また、不動産については、権利証や固定資産税納税通知書・名寄帳の取得などによって判明します。

しかし、預貯金も不動産も、そもそもは、被相続人が通帳や権利証など、現物の関連書類を持っている、家のどこかに置いているから所有しているのがわかるものですよね。もしそういった書類を持っていない場合どうなるのか。

財産を一括して管理している組織はないわけですから、相続人が家さがしをして他に通帳などがないか、はてはタオル、カレンダー、ノベルティなど金融機関と取引していた証拠をイチから調べなおしたり、被相続人から「〇〇の株を買っていた」と言っていたのを思い出したりしないといけません。

そしてここで仮想通貨の話に戻りますが、意外にも、仮想通貨も同じ方法で知るしかないのです。生前に被相続人から仮想通貨取引をしていることを聞いているか、銀行口座の送信履歴によって被相続人が仮想通貨を所有していることを知るケースが多いのだとか。

例えば、ビットコインはウォレットというインターネット上の「財布」のようなものに保管されており、このウォレットにはさまざまな形式のものが存在しています。ネット上(ウェブウォレット)、スマホ内(モバイルウォレット)、パソコン内(デスクトップウォレット)、紙(ペーパーウォレット)、専用端末(ハードウエアウォレット)のいずれかを使っていることが多いので、被相続人のパソコンやスマートフォンを調べることになります。

いつのタイミングで仮想通貨の残高が決定するか

仮想通貨は資産であるため、相続すれば相続税が発生します。ただし、仮想通貨が法定通貨と違うところは、その価値が定まっていないため常に上下を繰り返しているということです。これでは、どのタイミングでその資産価値を算出すればいいのか迷ってしまうでしょう。

この点について国税庁は、「仮想通貨交換業者が公表する課税時期における取引価格」で評価するとしており、これで、被相続人が亡くなった時点での市場価格をベースにすることが明らかになりました。

仮想通貨を相続するときの手続きについて

「仮想通貨はデジタルなのだから、相続の手続きも全部インターネット上で行わないといけないのか」と思った人もいるでしょう。しかし、その点も相続財産の調査と同じく、かなりアナログな方法になっています。調査は、被相続人が取引している仮想通貨取引所に問い合わせをすることで行います。

・ビットフライヤー社(仮想通貨取引所)

“相続のお手続きにつきましては、お問い合わせフォームの「相続手続きについて」、もしくは電話窓口の「お取引やサービスに関するお問い合わせ」記載の電話番号より、お問い合わせください。担当部署にて確認後、必要書類のご案内をいたします。

・コインチェック社

Coincheckでは、ウェブ上に用意された「相続届」をダウンロードし、必要事項を記入して相続人全員が署名・捺印します。そして、死亡届出書をはじめ必要な書類をとりまとめ、Coincheckに郵送すると、被相続人の預かり金残高が記載された「残高証明」が発行されます。

なお、取引所では、相続人の指定した金融機関の口座に残高を返還すると、当該アカウントは閉鎖されるようです。

仮想通貨を相続するときに最も注意すべきこと

2019年1月に、ある事件が大きな話題になりました。

カナダ最大の仮想通貨取引所だったクアドリガCXで、仮想通貨の秘密鍵を一手に管理していたCEO(最高経営責任者)が2018年末に急死しました。ここで問題になったのが、そのCEOが秘密鍵などアクセスに必要な情報を誰にも伝えずに亡くなったために、11万5000人の顧客資産を含む2億5000万カナダドル(209億円相当)分のの資産に触れられなくなったということです。

仮想通貨で最も注意すべきことはここにあります。仮想通貨で多額の資産を所有している人が亡くなると、亡くなった時点での評価額で相続税が計算される可能性が高いのですが、遺族が仮想通貨のことを知らないでいた場合、突然高額な相続税が課せられる可能性があります。

さらに、先に述べたとおり、仮想通貨は持ち主がそれぞれのウォレット(財布)で管理しているので、遺族はウォレットの場所とパスワードを知らないと、残された仮想通貨にアクセスできないままで、最悪の事態になりかねません。そのため、預貯金や不動産と同様に、仮想通貨も生前のうちに家族に取引をしていること、アクセス方法を知らせておくことが重要です。

以上、簡単ではありますが、

「仮想通貨の相続」について解説してきました。

最後までお読みいただき、有難うございました!

 

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