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まずはコレ!大事業承継時代を乗り切るための5つのポイント

 現在、日本国内の中小企業において、経営者の高齢化が進んでおり、今後5年間で多くの中小企業が経営交代期を迎える、いわゆる「大事業承継時代」の到来が迫っています。その一方で、日本の将来に貢献できる素晴らしい企業が、後継者難により廃業に追い込まれるケースも数多く見受けられています。

 中小・小規模企業の価値ある事業を次世代に円滑に繋いでいくためにも、まずは実態がどのようになっているかを知る必要があります。

今回は、東京商工会議所から平成30年1月に公表された『事業承継の実態に関するアンケート調査』をもとに、「まずはコレ!大承継時代を乗り切るための5つのポイント」について書いていきたいと思います。

回答した中小・小規模企業の属性

 調査対象が東京都23区内の事業者になっているため、それ以外の地域の場合の割合とは異なることもあるかと思いますが、共通の部分も少なくないかと思われますので、以下、属性を挙げていきたいと思います。

 まず、業種別で最も多かったのは、製造業で23.9%。そして、卸売業が20.0%、建設業が16.2%と続いています。また、 業歴としては「50年以上100年未満」(43.8%)が最多となり、30年以上の企業で8割近く(77.3%)を占めています。

 資本金別に見てみますと、「1千万円以下」(44.6%)が最も多く、続いて「1千万円超5千万円以下」(43.4%)となっており、資本金5千万円以下が88.0%を占めています。従業員数(パート含む)は、「5人以下」(32.6%)が最も多く、次いで「21人以上50人以下」 (18.6%)となっています。

 気になる経営者の年齢ですが、「60代前半」(18.0%)、「60代後半」(20.5%)と60代が38.5%を占め、60歳以上が全体の65.2%を占めることからも分かるように、経営者の高齢化も進行しています 。

 また、子どもの数は、「2人」(44.0%)が最も多く、続いて「3人」(26.0%)となり、子どものいる経営者は 84.6%を占めます。何代目の経営者かについては、「創業者」(36.7%)が最も多く、次いで「2代目」(30.1%)という結果となっています。先代との関係としては、「親(配偶者の親を除く)から継承した」(44.5%)が最も多く、「自身が創業者」 (26.6%)となった。一方「役員・従業員から登用」は10.2%という低い割合となっています。

 事業承継の相談先についてですが、「顧問税理士・公認会計士」(48.4%)が最も高く、次いで「親族・友人」 (19.2%)という結果となった。また、「相談する必要がない」も予想以上に多く26.6%に上っています。現経営者の株式の保有割合については、株式の過半数を保有している経営者は全体の52.4%である一方、34%未満も全体の約3割を占めています。

結果のポイント

 上記の属性にある中小・小規模企業の調査結果から、どういった実態が浮かび上がったのか、ポイントを絞って説明していきたいと思います。

後継者を決めることの重要性

 今回の調査において、後継者が決定している企業ほど、事業承継の準備・対策が進んでいるとの結果となりました。

「既に後継者を決めている」企業と、「後継者候補はいる」企業では、事業承継の準備・対策状況や、経営の承継完了までの期間に大きな差が出ています。また、「既に後継者を決めている」企業に比べ、「後継者候補はいる」企業は、後継者を誰にも周知していない割合が高く、後継者が承継に難色を示すなど、事業承継が円滑に進まない場合には、高齢な経営者では廃業に直結するリスクが心配されます。

特に、従業員承継では、誰にも周知していない割合が高いことから、廃業につながる危険性が大きいため、まずは早期に後継者を決定することが重要なポイントになるでしょう。

後継者の年齢が30代のうちに承継を検討すべき

 調査結果から、30代から40 代前半で事業を引き継いだ経営者の場合には、事業承継後に前向きな取り組みを行うことで、業況を好転させている割合が高くなっています。

 事業を 30 代で引き継いだ経営者は、事業承継後に業況を好転させており、30 代から40 代前半で引き継いだ企業は、事業承継のタイミングもちょうど良いと回答している割合が高く、前向きな新たな取り組みを行っている企業が多く見られています。

事業承継のタイミングとして、現経営者の年齢で判断するだけでなく、後継者候補が30代の時期に、経営の承継を検討すべきでしょう。

 

早期対策の重要性に経営者が気づくことが必要

 後継者のいない企業は、年齢が上がっても、後継者の確保に向けた対策が進んでいない結果となっています。

 後継者がいない企業では、後継者の探索・確保が重要であるが、準備・対策を行っていない企業が大半を占めており、経営者の年齢が上がっても、準備・対策状況は変わっていません。特に、経営者に子供がいない企業は、子供がいる企業に比べて、後継者の探索・確保に向けた準備・対策が進んでいない傾向にあります。

後継者のいない企業や子供のいない企業では、早期に後継者の確保に向けた対策を行うよう、経営者自らが気づくことが重要です。

親族外承継の検討

 意外に思うかも知れませんが、15年前よりも親族外承継の割合が増えている結果になっています。

 現経営者の先代経営者との関係について、事業を引き継いだ時期で見ると、役員・従業員からの登用や、社外からの登用が増加しており、約4分の1を親族外承継が占めるようになっています。事業承継の対策として、引き続き割合が高い親族内承継を検討しながらも、近年増加してきている親族外承継における対策の検討も必要となるでしょう。

株式の譲渡に向けて評価額算定の促進

 後継者のいる企業では後継者への株式の譲渡や株価評価が大きな課題となっていますが、小規模企業の多くは自社株式の評価自体を行っていません。

後継者がいる企業の大きな課題の一つとして、円滑な後継者への株式の譲渡が挙げられますが、小規模企業の大半はそもそも自社株式の評価自体を行ったことがないという結果となっています。

自社株式の評価を行った企業は、事業承継税制の利用を希望する割合も高いことから、小規模企業の円滑な事業承継の促進のためにも、まずは自社株式の評価額算定の取り組みを促進すべきでしょう。

まとめ

・まずは早期に後継者を決定することが重要なポイントになる。

・現経営者の年齢で判断するだけでなく、後継者候補が30代の時期に、経営の承継を検討すべき。

・後継者のいない企業や子供のいない企業では、早期に後継者の確保に向けた対策を行うよう、経営者自らが気づくことが重要。

・引き続き割合が高い親族内承継を検討しながらも、近年増加してきている親族外承継における対策の検討も必要。

・事業承継の促進のためにも、まずは自社株式の評価額算定の取り組みを促進すべき。

 

以上、簡単ではありますが、

「まずはコレ!大事業承継時代を乗り切るための5つのポイント」を解説してきました。

最後までお読みいただき、有難うございました!

 

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